鍼灸療法の中での、美容鍼灸の得意分野
美容鍼灸とは、「美容を目的とした鍼灸」または「鍼灸による美容」のことです。
美容とは、容姿を美しくすることを目的として、顔や体形、肌などを整えることです。「治療」を目的として行われてきた「鍼灸治療」に対して、「美容鍼灸」とは、容姿を美しくすることを目的として行われる鍼灸です。
例えば肩こりや腰痛を改善したいという場合は「鍼灸治療」となり、お顔のたるみや小じわを改善したいという場合には「美容鍼灸」となります。
「短針(たんしん)」という美容目的で使用する短い針を使い、顔のたるみ、シワ、くま、くすみ、むくみ などに積極的に利用されています。
キュっと引き締まった小顔
凝り固まった表情筋は動きにくく、血行不良を招きます。
新鮮な血液が筋肉に届かないため筋組織が痩せ細り、皮膚と皮下脂肪を支えきれずに下垂してたるみがおきます。額の丸みが消えて平らになり、目の下やこめかみが凹んで窪み、頬やほうれい線に影ができて老けた印象を与えてしまいます。
鍼で硬い筋肉を刺激すると・・
ゆるんで本来のしなやかな動きを取り戻し、ハリと弾力のあるふっくらとしたお肌になります。
筋肉が正常に働き始めると頬の位置が高く引き上がり、ほうれい線は浅く、張り出たエラがすっきりしてあごのラインがシャープになってきます。
鍛えにくい表情筋にアプローチしていくので、引き締まった若々しいお顔に戻れます。
シワが浅くなり弾むような肌
表情筋が動くことで一時的なシワができますが、皮膚の弾力性が保たれていれば元に戻ります。皮膚の弾力性や柔軟性はコラーゲンやエラスチン繊維によって保たれています。加齢や紫外線でコラーゲンやエラスチン繊維が変性し皮膚の弾力性や柔軟性が低下すると、一時的にできたシワが戻らずシワの痕が残ります。
紫外線を浴びると肌表面の角質が厚く、乾燥して硬くなり、皮膚の構造を変性させて小じわができてしまいます。
鍼を刺すことで・・
皮膚の中にできる小さな傷を修復しようとコラーゲンやエラスチンが増え続け、肌の奥からどんどん細胞が押し上げられてくるので、シワが浅くなりハリと弾力のあるお肌になります。
肌の奥から潤いも送り出され天然のクリームが肌を覆うので、乾燥の悩みが解消されシワが出来にくい肌へと変わります。
クマ・くすみのない白く透明感のある肌
目の使い過ぎにより眼輪筋を酷使し、首・肩の筋緊張を放置すると血行不良やリンパの流れが滞りクマやくすみの原因となります。
鍼で筋緊張がとれると・・
酸素と栄養に満ちた血液が行き渡り、リンパ液が溜まった老廃物を排出するので細胞が元気になります。
代謝が活発になった肌は白く透明感がでてきます。疲れ目やドライアイも解消されます。
目力がUPして均整のとれた顔
PC作業やスマホなど、表情筋を使わない時間が長いと筋肉が疲労して縮んで硬くなります。
筋肉が硬いままの状態を放置すると、ダランと伸びきってしまい顔のバランスを崩す原因になります。
鍼灸で凝り固まった筋肉をゆるめ、伸びきった筋肉を引き締めると・・
表情が豊かになり、血行もよくなって顔の重だるさが解消されます。目の周りの筋肉と額の筋肉は密接につながっているので、額の緊張が取れると額や目の周りのシワが浅くなり瞼が開けやすくなります。疲れ目の重たさがとれ、瞳が大きくなります。
くいしばりや片方ばかりで噛むクセで張り出た筋肉は、凝りがとれると口が開けやすくなるだけでなく、フェイスラインがスッキリして均整のとれたお顔になります。
キメの整ったしっとり肌
健康なお肌は、角質と潤い成分がブロック塀のように隙間なく並んで、刺激から肌を守りながら水分が蒸発してしまうのを防いでいます。季節の変化や洗剤などの影響で、肌表面を覆っている角質がめくれ上がり、加齢や体調によって、皮膚の潤いに必要な汗や皮脂の量が減ってしまうと、肌表面にある角質細胞が不揃いになってザラザラした乾燥肌になってしまいます。むき出しになってしまった肌の奥の細胞は、刺激に弱く、水分を保つことが出来ないため、乾燥がすすんで敏感肌にしていまいます。
鍼の刺激で・・
血行やリンパの流れが整えられると、細胞の生まれ変わりが活発になり、肌が生き生きとしてきます。
健康なお肌は、キメが整いバリア機能がしっかりと働いて、外からの刺激に強く中からの潤いを逃しません。敏感肌や乾燥、肌荒れに悩まされることがなくなります。
ニキビ跡が無かったことに
ニキビが悪化して化膿すると、アクネ菌の巣が肌の奥へと細胞を破壊しながら大きくなっていきます。ダメージを受けた細胞は元に戻るのが難しく、凹んだままニキビ跡として残ってしまいます。
鍼を刺すことで・・
小さな傷ができるので、傷を修復しようとコラーゲンやエラスチンが増えて、凹んだところが押し上げられ、ふっくらと滑らかな肌に整えてくれます。筋肉の緊張が取れ、血液やリンパ液の循環が良くなるので、お肌が生まれ変わるのを促します。新しい細胞が増え古い細胞がはがれ落ちるので、角質が肥厚して毛穴が詰まることがなくなり、ニキビの原因を取り除くことができます。
肌が健康になると潤った柔らかい肌になるので、白ニキビは中の皮脂が外に出やすく早く治っていきます。ニキビができにくい肌、できても治りやすい肌にしてくれます。
傷痕・手術痕で悩まされない
皮膚に外傷や手術などで傷ができると、修復する機能が働いて治ります。体質や傷ができた場所によって傷の治りが長引くと、傷痕やその周辺組織のコラーゲン繊維が過剰に生産されます。傷痕が盛り上がって硬くなり、周りの組織を圧迫して痛みが出ることがあります。
傷痕やその周辺組織に鍼をすると・・
引きつったり硬く盛り上がったりした傷痕やその周辺組織に鍼をすることで、血液とリンパ液が巡り肌の再生を促します。
正常な細胞が増えると、硬かった組織は柔らかく滑らかになって痕が目立たなくなります。引きつりによる痛みや重だるさ、動きの制限が解消されます。
※ 傷痕の状態によっては、施術が出来る場合とできない場合がございます。また、改善が分かるまでには大変長くお時間を要する可能性もございます。
皮膚科に
相談した方が良いこと
鍼の施術では難しいものもあります。以下のお悩みは皮膚科さんへご相談を。
シミ・肝斑
鍼灸で肌の再生を促し、お顔全体のくすみをとることはできますが、シミや肝斑の原因であるメラニン色素を排出するまでにはかなりの時間を要します。
鍼灸では白く透明感のある肌になってくるので逆にシミが目立って気になってしまう場合があります。
イボ
首や脇、下着のラインにできたポツポツは、こすったり掻いたりするとイボに傷がつき、中からウイルス粒子が拡散してイボが増えてしまいます。
稗粒腫
(はいりゅうしゅ・ひりゅうしゅ)
目の周りにできる1~2ミリ程のポツポツは、角質が白く丸い塊になったもので、そのままにしておいても特に悪くなったりすることはありません。気になる場合は、皮膚科で取り出すことができます。
目の周りは汗腺が少なく毛穴に角質がつまりやすいです。アレルギーや化粧品かぶれなどで、掻いたりこすったりすることが多いと出来やすいです。
赤ニキビ
炎症が起きてしまっているニキビの周り(10円玉ぐらい)はアクネ菌が潜んでいるので、治っても新しいニキビが次々と出てきやすいです。
また炎症を放っておくと化膿して肌の奥へと細胞を破壊しながら大きくなっていくので、ニキビ跡の原因となります。炎症は肌の細胞が火事になっている状態なので、鍼灸だけでなく活性させる施術は効果が出にくいだけでなくニキビを悪化させる恐れがあります。